中国で高まる刺激策強化求める圧力、資金需要

2019-08-13

中国経済全体のファイナンス規模が7月に今年2番目の小ささにとどまり、中国当局に対する刺激策強化圧力は高まっている。

中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した7月の経済全体のファイナンス規模は1兆100億元(約15兆円)。6月は約2兆2600億元、エコノミスト予想中央値は1兆6300億元だった。

他国とは異なり、引き続き債務や金融の安定リスク抑制に軸足を置く中、中国当局はより積極的な金融刺激策を検討している兆しをほとんど見せていない。米国との貿易戦争が国内外の信頼感を損ねる中で、エコノミストは緩和策の必要性が高まっていると指摘する。

マッコーリー・セキュリティーズの中国経済責任者、胡偉俊氏(香港在勤)は「主な制約要因は借り入れ需要だ」と分析。「当局が刺激策のレベルを上げ、シャドーバンキング(影の銀行)や不動産規制の緩和を通じて人為的に資金需要を生み出すまでは需要不足で与信の伸びは今後数カ月も抑えられるだろう」とコメントした。

中国の10年物国債利回りは13日に低下し、2016年以来の3%を付けた。企業の資金需要が弱く、銀行が貸し出しに回す分を債券市場に振り向け、10年債利回りの押し下げに寄与している部分もあると胡氏は話す。

例年、7月は前月に比べて与信が鈍るため、少なくとも一部は季節パターンが原因だ。今年に入り7月よりもファイナンス規模が小さかったのは春節(旧正月)があった2月だけだった。

原題:China Stimulus Pressure Grows as Credit Demand Weakens(抜粋)